帰りの電車で60歳(自称)の酔ったおやじが
40歳(予想)の会社帰りのリーマンにふっかけている。
(俺が乗り込む前にすでにひと悶着あったようだ)
リーマンは怒りつつも抑えて応対していたがついにキれ、
「わかったよ!次の駅が降りる駅だからおまえも降りろ!」
を吼える。
ドアが開く。リーマンが降りる。
おやじも降りようとしたところで、俺の隣の黒人さんが
おやじをソフトに抑える。
「イイカラ、イイカラ。サァスワッテ」
ドアが閉まる。おやじは乗ったまま。
オヤジもまさかブラザーに止められるとは思ってなかった
らしく、面食らい少し静かになる。
(漢だ…俺のとなりにいる人は漢だ…)

おやじはその後、ブラザーにリーマンの悪態をついていたが、
ブラザーは黙って聞き、一言。
「デモイマハイナイデショ」
おやじ「そ、そうだね…」

俺(かっこいい…そして、俺かっこわるい…)

俺はブラザーの目を見れないまま電車を降りた。
俺もしょぼくれたファッキンジャップだ…
地元の駅の改札を出る。
酔っ払っているのか、もともとアレなのか、
叫び暴れるおやじがいた。
「バカヤロー!オマワリヨビタキャヨベェ!」

ハァ…

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